届け!パネテリエを終えて

Colum

皆さま、たくさんのご利用、本当にありがとうございました。

ようやく最終日、山へ戻ってまいりました。ここで少しお話を。
私達が届けたかったもの。についてです。
この前、朝日新聞さんでお話させていただいた、「コミュニティがクラスタなどと言われている世の中」で私たちは今、人との距離を保つことを強いられています。そんな中、非常識とも言える、お客様の元へ焼きたてのパンを届ける活動を始めたのですが、それは収益が全く見込めないと覚悟を決めてのスタートでございました。
しかし、日々届くメールに一喜一憂し、早い日は夕方から粉を計り、水を汲み、酵母を伺い…みなさんが目を覚ます頃、モウロウとしている私は盛大に鳴り響くブザー音で我に返り、狭い店内は日々戦場のようでした。ありがとうございました。

そうやって焼きあがるパンやお菓子たち、ご注文を間違えないよう、狭いテーブルで振り分けて袋に詰めて。お客様のもとへ大急ぎで出発する毎日ではございましたが、私はパンやお菓子をご依頼いただいていた訳では無いように思っています。

私たちがご注文いただいていたもの、それは皆さんと、皆さんの大切な方々の「待ってる時間」だったのではないでしょうか。

お届け先ではドアチャイムを鳴らすと元気なお子様が飛び出してくるお家、おなじみの笑顔でお迎えくださる方、携帯電話からあふれるほどのありがとうのお言葉を送ってくださる方々。

閉じこもりがちの昨今にささやかですが変化をもたらす「待ってる時間」。

オーダーを間違えたり、順番がめちゃくちゃだったり、注文見落としてしまったりも、甘えさせてもらい、笑顔をいただく。全部ぜんぶが、みなさまの「待ってる」だったように思います。

走り続けた1ヶ月、始めたころには、月末には落ち着く筈と期限を決めて走り始めたのが3月2日、本当に沢山の方々の「待ってる」をいただきながら走り続ける事ができました。
ここ数日、デリバリーをはじめる飲食店さんが急増している様子に正直ほっとしています。偉そうなお願いではございますが、できましたら、ご近所の飲食店・パン屋さんなどにご注文いただく方がいいと思います。私の届けるモノよりいいモノがたくさんあると思います。

変な表現ではございますが、私は「待ってる時間」が食べたくなった頃再び走り始める準備を進めます。

それまでの間、もう一度「待ってる」を預からせていただければ幸いです。

皆さまへ心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

パネテリエ
はまむら たろう

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